2024.01.28

ピアノは弾かなくても良い

 

「本当は弾いたほうがピアノに良いんですよね?」

と、お客様に聞かれることがあります。

何年も全く弾かないと、鍵盤や中身の動きが鈍くなります。

関節が固まってしまうようなイメージです。

 

それを防ぐなら、手をパーにして右から左まで鍵盤を撫でるように弾くだけで、全ての音を鳴らすことができますので、曲を弾けない方でもできますよね?

気付いたら、それを繰り返してください。

 

またピアノは、高級な羊毛を使っているので、セーターを食べる『あの虫』に食べられやすいのですが、弾いているピアノなら、虫はすぐに逃げて行くと思います。

弾いていないと、フェルト部品がかなり食べられてしまうことがあります。

虫には、衣類用の防虫剤をお使いいただければ、安心です。

 

でもね、私は『弾かなくても良い』とも思っています。

 

そのピアノはもしかして、そこにあるだけで良いのではありませんか?

全く弾かなくても、手放さないのには理由がありますよね?

 

ピアノを買ってもらった時の想い出や、習っていた時のエピソードなど、どこのお宅でも素敵なお話をたくさん聞きます。

そのピアノがそこにあるだけで、あなたにとって大きな価値があるから、だから手放さないのですね。

 

弾かなくても良いです。

 

たまに、ほこりを拭き取りながら、幸せな気持ちになっていただけたら最高だと思います。

そして、また使う時になったらしっかりメンテナンスをすれば、ちゃんと弾ける状態にできますよ。