「本当は弾いたほうがピアノに良いんですよね?」
と、お客様に聞かれることがあります。
何年も全く弾かないと、鍵盤や中身の動きが鈍くなります。
関節が固まってしまうようなイメージです。
それを防ぐなら、手をパーにして右から左まで鍵盤を撫でるように弾くだけで、全ての音を鳴らすことができますので、曲を弾けない方でもできますよね?
気付いたら、それを繰り返してください。
またピアノは、高級な羊毛を使っているので、セーターを食べる『あの虫』に食べられやすいのですが、弾いているピアノなら、虫はすぐに逃げて行くと思います。
弾いていないと、フェルト部品がかなり食べられてしまうことがあります。
虫には、衣類用の防虫剤をお使いいただければ、安心です。
でもね、私は『弾かなくても良い』とも思っています。
そのピアノはもしかして、そこにあるだけで良いのではありませんか?
全く弾かなくても、手放さないのには理由がありますよね?
ピアノを買ってもらった時の想い出や、習っていた時のエピソードなど、どこのお宅でも素敵なお話をたくさん聞きます。
そのピアノがそこにあるだけで、あなたにとって大きな価値があるから、だから手放さないのですね。
弾かなくても良いです。
たまに、ほこりを拭き取りながら、幸せな気持ちになっていただけたら最高だと思います。
そして、また使う時になったらしっかりメンテナンスをすれば、ちゃんと弾ける状態にできますよ。