錆が発生する場所によっては、困ったことになるのですが、今回はそんなピアノに出会いました。
写真はアップライトピアノの内部部品です。
タッチの調整をする時に、アタマの輪になった部分を回します。
このピアノはそのネジが錆びてしまって回せなくなっていました。
それを知らずに回そうとすると、アタマの部分だけ回って折れてしまうんです。
写真の折れたネジは、指で触っただけでポロッと折れました。
見た目で折れているのが分かったので。
折れたネジの2つ右と3つ右を見てください。
気付きましたか?
アタマが傾いていますよね!
これが折れている証拠です。
前任調律師にしてみれば「まだ折れてない!」と言いたいところなのかもしれませんね。
でもね、これ折っちゃうってことは『タッチの調整をしてくれている』ってことなので、真面目な方だと思います。
私、こういうピアノによく出会います。
古いピアノを担当することが多いからでしょうか?
この場合、私は修理します。
折れたネジの他にも、錆が発生しているものは新しいネジに交換しますので、しばらくは安心ですね。
このネジを回すタッチの調整、しないのは嫌なんです。
結構大切な調整だと思っているので。
回せないなら、回せるように修理するのが北川流です。